ちょうど東京にいる時に、銀座にあるギャラリー「銀座の金沢」で、珠洲焼作家の山田睦美さんの展示会があるというのをインスタで知り、仕事の都合をつけて出かけてみることにしました。
東京のオフィスではコロナ禍ということもあり、ほとんど人がおらず、夕方少し早く5時頃に上がらせてもらって、銀座に向かいました。
山田睦美さんの珠洲焼はとても特徴があって、普通の珠洲焼とはかなり違います。今の珠洲焼はどちらかというと素朴で無骨で、存在感の中の美しさを表現していますが、山田さんの作品は、どれも繊細な造形です。単に成形するだけでなく、そこからさらにヤスリをかけたり手がこんでいて、珠洲焼には珍しく薄手の質感が特徴的です。
そして、彩も基本モノトーンながら、白を上手に使ったグラデーションや、質感を表す表面加工が特徴的です。珠洲焼はモノトーン、それも黒一色、というのが定番ですが、こうした手の込んだ表面加工も特徴的で、モダンな珠洲焼に仕上がっています。
珠洲焼は伝統をいかに守っていくか、守りながらどう特徴づけていくか、というのが主流の中で、山田さんの作品は異端です。あれは珠洲焼とは言えない、と言われることもあるかも知れませんね。でも私には、感覚があっている、というかとても惹かれるものがあります。今回の銀座の金沢の展示会でも、一番会場に馴染んでいた、そんな雰囲気でした。
たまたま東京にいたときに、東京で数少ない珠洲の知り合いの方の展示会が見られるなんて、なんだか縁を感じずにはいられません。山田さんの作品とも、のとジンのプロモーションでご一緒できたらなぁと思います。
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