蒸留酒のことをスピリッツといいますね。
どうしてこういうようになったのか、語源を調べてみると面白いことが分かります。
1つ目は、息を吸う=Aspirate などと同じで、Spiritusという息を表すラテン語から、精神に繋がったという話。肉体という空の箱に、息が入ると生命になるという考え方があったそうです。これは手塚治虫先生の漫画に登場する世界観と似ています。人形やロボットという箱に精神が宿り人格化する、というもの。なんだか面白いですね。日本語でも「生命の息吹き」と言いますね。「肉体に精気を吹き込むものとしての超自然的存在の息」という考え方があったこと。
2つ目は、中世の錬金術師が定めた生命の原理となる物質をSpiritsと呼んだこと。錬金術の実験の一つに蒸留があり、その工程の中で生まれるのがアルコールだったことから、アルコールを指すようになったということ。
3つ目は、新約聖書の「お酒=生命の水」という考え方から生まれたもの。事実、お酒をラテン語でAqua Vitae、アクアビットというお酒がありますね。フランスではEau de vie でまさにオードヴィー、アイルランドではUisce beatha というウイスキーの語源にもなった言葉に通じています。
こうした歴史的なものが合わさって、蒸留酒をSpiritsと呼ぶようになったそうです。
日本でも神社にはお酒が奉納されているように、神様へのお供え物ですよね。私は神社が好きでよくお参りにいきますが、お酒に惹かれるのもそういったところと繋がっているのかなぁ、などと勝手に思っています。神社に行くと、お酒の好きな精霊を感じることができるかも知れませんね。
Comments