東京に戻ってからは、椎の実を煎っては皮をむく、という作業を延々としていました。
そんな中、材料について調べ模索していましたが、このまま材料だけ増やして製造が実現できなくなっても、という思いもあり、ある程度材料を絞り、ウェールズに送る準備を始めました。すると、植物検疫、という問題が立ち上がってきました。特に、針葉樹である能登ヒバが問題でした。これをクリアするには、能登ヒバを外すか、国内OEMを検討するか、ということになり、ウェールズへの思いはあるものの、並行してOEM先を模索し始めました。
その中で、東京の板橋区で蒸留所を作って、製造販売をしている東京クラフトリキュールの片野さんが目にとまりました。一度訪れてお話を伺ってみたい、と思ったところ、たまたま近々オープンデーをやってらっしゃることが分かり、参加して見ることにしました。
久しぶりの板橋でしたが、とてもワクワクとした気持ちで向かいました。すでにたくさんの人が訪れていて、試飲をされていました。片野さんの前にずらりと並んだラベルのジンやリキュールは壮観でした。片野さんやお仲間の皆さんのお話を聞くうちに、自分も試飲をいくつかさせていただきました。どうしても飲んでみたかったジュニパーボムというジュニパーをコスト度外視でMaxに浸漬して蒸留したトムジンを試飲させていただきました。それはそれは美味しかったです。
元々バーテンダーから入り、お酒について試行錯誤されてきた片野さんならではのこだわりのボトルがとても魅力的に思えました。ふらふらと中途半端に生きてきた私の人生の歩みとはあまりに違い、道を極めてきた人ならではの自信が、とてもまぶしく見えました。
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