試作品が出来上がったことで俄然勇気ができてきたこともあり、具体的に能登での拠点探しを検討し始めました。
アマゾンでの出店を視野に入れて、以前アマゾンに勤務していた時の同僚にどうすればいいか相談したところ、アマゾン出店の際に、将来的には引き取りの場合の倉庫が必要、ということが分かりました。倉庫を都内で調べたところ、月額だけでもとんでもない金額になってしまうので、能登で安く倉庫を借りられないか、そしてそこで事務仕事をして生活できる拠点にならないか、と探し始めました。
これまでの調査の中で、候補は三つに絞られました。1つは、FMかほくのスタジオにも近いかほく市にアパートを借りて、七尾市にある安価な倉庫を借りることです。2つ目は、県庁や金沢税務署にも近い内灘町のアパートを借りて、七尾市の倉庫を借りる方法。そして3つ目は、羽咋市で倉庫兼事務所兼住宅を借りる方法です。
東京を行き来するなら、かほく市、内灘町、羽咋市、いずれも金沢から行き来できる距離なので、なんとかなりそうです。そして、倉庫である一定の量が必要な時に、七尾を往復すればいい、ということで、どうにかなりそうでした。
ところが、ちょうど羽咋市で、地元では有名な不動産会社いなむら不動産さんで、全部を一度に満たす物件を探してくださいました。羽咋市役所や商工会議所にも程近い3階建の物件です。車は軽自動車がどうにか一台止められるスペースで、今は地元の花屋さんの倉庫になっていました。ここを家賃4万円台前半で出していただけることになりました。
私は、この羽咋市の選択が一番いい、と判断し、ほぼ心の中では決めていました。やっと拠点も決まって喜んでもらえるかと思い、創業塾でお世話になっていた興能信用金庫の松本さんにお話したところ、ちょっと待ってもらえませんか、という話になりました。
松田さんの事業は、儲けよりもSDGsの理念で進められる予定ではなかったんですか?奥能登で学ばれたことを進めて行く、ということではなかったんですか?なぜ羽咋なんですか?能登といっても奥能登と他の土地では違うんですよ。もう一度考え直してもらえませんか?と、メールとお電話で、お話をいただきました。私はとても迷いました。これまで長い間、色々と探してきて、どれがベストな案なのか、検討してみて、ある程度自分でも結論を出していたので、ここへ来ての待ったには、大変困りました。
今度の卒業課題の発表会の翌日、羽咋のいなむら不動産さんに寄って、決めてこようと思っていたのですが、これまでお世話になって来た松本さんのご意見ということもあり、ここで即決はせず、もう少し待ってみよう、ということにしました。なかなかこれほど好条件の物件は出てこなかっただけに、本当に辛かったですが、一旦保留にすることにしました。
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